にがりについて

「にがり」は人体に必要なものだが摂り過ぎてはいけない。

藻塩のところでも触れましたが、西本氏の見解は「にがり」を含まない塩は薬品に限りなく近く、いろいろな病気を引き起こすが、逆に「にがり」を摂り過ぎても体を痛めると言うものです。
西本氏は塩の研究を進めるうちに、古代から続く日本の塩の使用の歴史と変遷から、「にがり」の量と質によって日本人の健康状態が激変していることに着目します。
西本氏は植物、農作物、動物に、「にがり」を与えるなどして更に研究を重ねることにより適度な「にがり」の量を考察しました。

本当の「にがり」は塩化マグネシウムのことではない!!

本来「にがり」は海水から塩化ナトリウム(NaCl)を除いた海水の複合栄養素(92種のミネラル、13種の元素、合計105種にさらに希有元素や海水酵素も全て含まれたもの。西本友康氏談) を示していました。
この「にがり」が塩化マグネシウムと混同される様になった原因は、昭和58年頃、当時の厚生省食品衛生課が、にがりが豆腐製造用に食品添加物として使用されていることから、「にがり」の規格を定めたいと塩専売事業本部の技術調査担当の方へ相談に来ました。
その際、にがりの成分組成が条件によりあまりにも変動するため、規格として定めるのは無理であり、製造工程終了後に残った溶液としか言いようがないとの回答を得ました。

結果、厚生省は豆腐製造業者のにがりと表示したい要望に応えるために苦肉の策として、にがり(塩化マグネシウム類似物)と表示するように指導しました。
つまり、にがりの組成は一概に決められないが、塩化マグネシウムが主成分であるので、このような表示を認めることになったのです。
ですから「にがり」と書かれていても、塩化マグネシウムのことなのか、本当の「にがり」なのか、よく見ないと区別が付かない状態になっています。

「にがり」の種類について

にがりの種類を成分差で分けるとしたら、大きく分けて「塩田製塩にがり」と「イオン交換膜製にがり」の、二種になります。(この分類は「にがり」は必要ないと主張していたイオン交換膜法肯定派の方が示したものですが…)

1.塩田製塩にがり

硫酸マグネシウムを含むのが特徴で、塩化カルシウムを含みません。
マグネシウムの量がイオン交換膜製にがりより多く、色は黄茶色に着色している場合が多いです。(粘土や木材などから出たフミン酸類によるものと考えられる。)天然塩を使っていますので使用海水の汚染が少ないことが必要です。
※塩化カルシウムを含まない理由は、塩田法ではかん水中に硫酸イオンが多くある。このため製塩工程が終わるまでにカルシウムは全て硫酸イオンと結合して硫酸カルシウム(石膏)となり残った硫酸イオンはマグネシウムと結合して硫酸マグネシウムとなるため。

2イオン交換膜製にがり

塩化カルシウムを含むのが特徴で、硫酸マグネシウムを含みません。
カリウムの量が塩田製塩にがりより多く、色は無色透明。
膜法を使うことにより汚染物質は分子の大きさが大きいためにほぼ完全に除去される。
※硫酸マグネシウムを含まない理由は、膜法では2価イオンより1価イオンのほうがイオン交換膜を通りやすいため、得られるかん水が2価イオンの少ないかん水となる。このため製塩工程が終わるまでに少ない2価の硫酸イオンは2価のカルシウムイオンとほとんど結合し硫酸カルシウム(石膏)となり、Ca2+が余ってくる。これが塩化物イオンと結合して塩化カルシウムとなるため。

上記の他に、以下の変わり種のにがりが販売されているそうです。

■濃厚にがり

生にがりをさらに蒸発で濃くしたものです。生にがりを濃くしていくと膜法にがりでは塩化カリウム、蒸発法にがり(塩田にがりなど)では硫酸マグネシウムが析出しながら、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの濃度が一層高くなりネバネバの状態になってきます。生にがり組成表の塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムが低く、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの濃度の高いものが濃厚にがりですが、どこからが濃厚にがりというかの基準はありません。濃縮タイプと書かれているものも基準がありません。

■脱カリにがり

主に膜法濃縮のにがりから冷却法で塩化カリウムをとった残りのにがりです。
しかしカリウムを完全にとることはできないので、カリウム濃度は膜法にしては少ないという程度のものになります。

■越冬にがり

夏場採取したにがりは温度の低い冬場を越すと硫酸マグネシウムが析出し、にがり中の硫酸マグネシウム濃度が低くなるためこの名がつきました。つまり蒸発法にがりを冷却すると硫酸マグネシウム、塩化カリウム混合物が析出して硫酸分の少ないにがりになるということです。

■脱臭にがり

にがりから臭素(ブロム)をとった後のにがりです。にがりを酸性にして塩素ガスで臭素を追い出し、残った液を中和したものです。
主成分は変わりありませんが臭素がなくなっているのが特徴です。

■合成にがり

豆腐業界では塩化マグネシウムを固形にがりと言ってきました。それが一般化して塩化マグネシウムもにがりといわれます。
合成品がほとんどです。

参考 にがりの選び方

1.組成表示、原産地表示のあるものを選ぶ(中国産は汚染が進んでいる可能性あり)
2.海水のきれいなところでとられた、にがりを選ぶ。
3.塩化カルシウムがあり硫酸マグネシウムがないものは膜法にがり、塩化カルシウムがなく硫酸マグネシウムがあるものは塩田にがり。つまりカルシウムが入っているのが膜法にがり、マグネシウムが多いのは塩田にがり。

 

*イオン交換膜法肯定派はマグネシウム・カルシウムバランスがよいということで膜法にがりがよいと主張しております。
しかしイオン交換膜法の原理からすれば、イオン化した物質のみを、また膜を通過する物質のみを「かん水」としますので、本来の海中有用物質全ては取れない事になります。
また、自然の太陽光や風を利用しませんので、農業をしている方はご存知のようにハウス栽培と露地栽培の違いと同じような差が出てくると考えられます。(塩や水をただの無機物とお考えの方はそうは思わないでしょうが…)
どちらが本当によい「にがり」なのか、まだまだ決着は、つきそうにありません。

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